
WordPressの管理画面を開いたときに、こんな表示を見たことはないでしょうか。
「WordPress は古いバージョンの PHP で動作しています」
そして、こう思って閉じた方も多いと思います。
「PHPって何のこと?」
「サイトは普通に見えているし、とりあえず今はいいか」
実はこの表示、2026年に入ってから少し事情が変わっています。
今、多くのホームページで使われている 「PHP 8.2」というバージョンが、2026年12月31日でサポート終了を迎えるからです。
2026年8月31日時点で、あと4か月。
今回は「PHPが何なのか分からない」という方に向けて、できるだけわかりやすく整理します。
【結論】やることは「今のバージョンを見る」の1つだけです
先に結論からお伝えします。
ホームページを運営している方が今やっておくべきことは、次の1つだけです。
- 自分のサイトが今どのPHPバージョンで動いているかを確認する
確認した結果、
- 8.3 / 8.4 / 8.5 と表示された → 当面は大丈夫です。この記事はここまでで大丈夫です
- 8.2 以下(8.2、8.1、8.0、7.4 など)と表示された → 年内に上げる準備が必要です
確認方法は後半で説明します。パソコンの操作としては、クリック3回ほどで終わります。
そもそもPHPとは何なのか
PHP(ピー・エイチ・ピー)は、WordPressを動かしている土台のプログラムです。
車でたとえると、こうなります。
- 車体・内装 = ホームページのデザイン(テーマ)
- カーナビやドラレコ = プラグイン(お問い合わせフォームなど)
- エンジン = PHP
普段、運転している人がエンジンの型式を意識することはありません。PHPもそれと同じで、ホームページを見ている人にも、更新している人にも、普段はまったく見えません。
ただし、エンジンが止まれば車は動きません。ホームページも同じです。
そしてPHPは、レンタルサーバー会社が用意してくれているものです。契約している「エックスサーバー」「ConoHa WING」「さくらのレンタルサーバ」「ロリポップ」といった会社の管理画面から、使うバージョンを選ぶ形になっています。
2026年12月31日にPHP 8.2のサポートが終わります
PHPは、1つのバージョンにつきおよそ4年でサポートが終わると決まっています。前半2年が通常の修正、後半2年が「重大なセキュリティ問題だけ直す」期間です。
PHP公式サイトが公開している期限は次のとおりです(2026年8月時点)。
| バージョン | セキュリティ更新の終了 | 状態 |
|---|---|---|
| PHP 8.1 以下 | 終了済み | すでにサポート終了 |
| PHP 8.2 | 2026年12月31日 | あと約4か月 |
| PHP 8.3 | 2027年12月31日予定 | まだ余裕あり |
| PHP 8.4 | 2028年12月31日予定 | 推奨 |
| PHP 8.5 | 2029年12月31日予定 | 最新 |
ここで注意していただきたいのは、PHP 8.2 は「古いから」ではなく「順番が来たから」終わるということです。壊れたわけでも、問題が起きたわけでもありません。最初から決まっていた期限が来ただけです。
そして厄介なのが、PHP 8.2 は今もっとも使われているバージョンの一つだという点です。2022年〜2024年ごろに作られたホームページの多くが、これで動いています。
サポートが終わると、何が困るのか
1. 穴が見つかっても、もう塞がれない
これが一番大きな問題です。
サポート期間中は、セキュリティ上の欠陥(脆弱性)が見つかると修正版が配られます。サポートが終わると、欠陥が見つかっても直されません。
新たな脆弱性が発見された場合でもPHP公式から修正が提供されないため、未修正の脆弱性が残ります。
「弱点は世界中に知られているのに、直す手段がない」という状態になります。
2. レンタルサーバー会社が提供をやめる
サポートが終わったPHPを置き続けるのは、サーバー会社にとっても危険です。
レンタルサーバー会社によっては、PHP公式のサポート終了に合わせて、古いバージョンの提供を終了する場合があります。
打ち切りの案内は、契約時のメールアドレス宛に届きます。ホームページを作ってもらったときのまま、制作会社のメールアドレスで契約している場合は、この案内が自分に届いていない可能性があります。
3. WordPressやプラグインが対応しなくなる
WordPress公式が推奨しているのは、現在PHP 8.3以上です。
プラグインやテーマも、新しいPHPを前提に作り替えられていきます。古いPHPのままだと、いずれ「更新すると動かなくなるプラグイン」が出てきます。更新できないプラグインは、それ自体がセキュリティの穴になります。
ただし「12月31日にサイトが止まる」わけではありません
ここは誤解されやすいので、はっきり書いておきます。
2026年12月31日を過ぎた瞬間に、ホームページが真っ白になるわけではありません。
期限が来ても、サイトはそのまま表示され続けます。変わるのは「今後は誰も直してくれない」という点だけです。
ですので、慌てて今日中に何かをする必要はありません。ただ、年末は仕事が立て込む時期です。そして後述するように、PHPのバージョンを上げると別の不具合が出ることがあり、その対応に時間が必要になります。
秋のうちに確認しておくのが現実的だと考えています。
自分のサイトのPHPバージョンを確認する方法
WordPressの管理画面から確認できます。サーバーの契約情報を探す必要はありません。
- WordPressの管理画面にログインする
- 左のメニューから 「ツール」→「サイトヘルス」 をクリック
- 上部の 「情報」 タブをクリック
- 一覧の中の 「サーバー」 をクリックして開く
- 「PHPバージョン」 の行に書かれている数字を見る
「8.2.28」のように細かい数字が付いていますが、見るのは最初の2つ(8.2 の部分)だけで構いません。
なお、この「サイトヘルス」の画面は見るだけなら何も壊れません。設定を変える画面ではないので、安心して開いてください。
バージョンを上げるときに気をつけること
PHPのバージョンを上げる操作自体は、レンタルサーバーの管理画面で選び直すだけです。数分で終わります。
問題は、その後です。
古いプラグインやテーマが動かなくなることがある
PHPを新しくすると、それに対応していない古いプラグインやテーマが停止し、ホームページが真っ白になることがあります。
特に危ないのは次のような場合です。
- 制作会社が独自に作った機能が入っている
- 何年も更新されていないプラグインを使っている
- 有料テーマのライセンスが切れていて、更新できない状態になっている
- そもそもWordPress本体が数年前のバージョンのまま
やっておきたい3つのこと
- 先にバックアップを取る。 ファイルとデータベースの両方です。戻せる状態を作ってから触ります
- お客様が見ていない時間に行う。 万一止まっても影響が小さい時間帯を選びます
- 切り替えた直後に一通り見て回る。 トップページだけでなく、お問い合わせフォームの送信テストまで行ってください。フォームは壊れても見た目では分かりません
また、サーバーによってはサイト単位ではなく契約全体でバージョンが切り替わることがあります。1つの契約で複数のサイトを運営している場合は、他のサイトにも同時に影響します。
こういう状態の方は、先に相談したほうが早いです
次に当てはまる場合は、ご自身で切り替えボタンを押す前に、一度状況を確認することをおすすめします。
- WordPressの管理画面のログイン情報が分からない
- レンタルサーバーの契約が誰の名義か分からない
- 作ってもらった制作会社と連絡が取れなくなっている
- バックアップの取り方が分からない
- WordPressの更新を何年も押していない
この状態でPHPだけを新しくすると、不具合が出たときに戻せません。順番としては、まず現状を把握して、バックアップを用意して、それから切り替えます。
【まとめ】秋のうちに、バージョンだけ見ておいてください
今回の内容をまとめます。
- PHPはWordPressを動かしている土台のプログラム。普段は見えない
- PHP 8.2 のサポートは2026年12月31日で終了する
- 終了しても即座にサイトは止まらない。ただし穴が見つかっても直されなくなる
- 確認は「ツール → サイトヘルス → 情報 → サーバー」で見るだけ。壊れる操作ではない
- 8.3以上なら当面は問題なし。8.2以下なら年内に上げる準備を
- 上げる前にバックアップ。上げた後はフォームの送信テストまで
ホームページは、作って終わりではなく、下の層が少しずつ入れ替わっていく仕組みの上に乗っています。PHPのサポート期限は、その入れ替わりが表に出てくる数少ないタイミングです。
逆に言えば、期限が事前に分かっている分、慌てずに対応できる種類の問題でもあります。
千葉ホームページ相談室では、こうした既存サイトの状態確認・保守・不具合の調査のご相談に対応しています。
「今のPHPバージョンがいくつなのかも分からない」という段階で構いません。現在の状態を確認したうえで、今すぐ対応が必要な部分と、当面はそのままで問題ない部分を分けてご案内します。
参考資料
この記事は2026年8月31日時点で公開されているPHP公式およびWordPress公式の情報をもとに作成しています。
- PHP: Supported Versions(php.net)
- WordPress の推奨動作環境(ja.wordpress.org)
※PHPのサポート期限やレンタルサーバー各社の提供終了時期は変更される場合があります。ご契約中のサーバー会社からの案内も併せてご確認ください。
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