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2026年10月27日時点の情報です。
運営会社の発表(第5報・10月23日)と、集団訴訟を準備する弁護士の会見(10月26日)までを反映しています。
カーシェア「タイムズカー」の会員情報、約660万件が不正アクセスで漏えいしました。そのうち約146万件は、運転免許証などの画像。運営会社は1人3,000円相当の見舞金を出すと発表し、10万人を超える人が集団訴訟への参加を希望しています。
私にも、運転免許情報が含まれるという漏えいのお知らせが届きました⋯
だからこそ書きますが、免許証は作り直しても番号はほとんど変わりません。
パスワードのように「変えて終わり」にはできない情報が漏れた、というのが今回の重さです。
この記事では、分かっている事実を整理したうえで通知を受けた人が今日やることと、事業者が自社で見直すことをまとめます。
【まとめ】10月27日時点で分かっていること
- 漏えいは約660万件(氏名・住所・生年月日・運転免許情報など)。退会した人も対象
- 免許証などの画像は約146万件で、外部へ送られた痕跡あり。画像は暗号化されていたが、将来読まれる可能性は否定できないと会社自身が説明
- クレジットカード番号の全桁は持っていなかったため漏れていない
- 画像が送られた痕跡のある人に3,000円相当の見舞金。渡し方は検討中
- 弁護士が集団訴訟を準備。参加希望は10万人超、1人3万〜5万円を請求する方針
タイムズカーの情報漏えいで何が起きたのか。Webシステムの脆弱性を突かれ、約660万件が外へ
運営会社のタイムズモビリティ(パーク24グループ)によると、9月25日に会員向けのWebシステムへの不正アクセスを検知しました。原因はWebシステムにあった脆弱性(弱点)を悪用されたことと説明しています。10月23日に専門機関の調査を終え、漏れた情報の最終的な件数を発表しました(第5報)。
| 漏れた(またはそのおそれがある)情報 | 件数 |
|---|---|
| 氏名・住所・生年月日・電話番号・メールアドレス・運転免許情報 | 6,628,007件(約660万件) |
| 免許証などの画像(暗号化。外部へ送られた痕跡あり) | 約146万件 |
| 免許証などの画像(暗号化。アクセスされたが、送られた痕跡は無し) | 約89万件 |
| クレジットカード番号 | 全桁は保持しておらず漏れていない(下4桁のみ28件) |
運営会社は、漏れた情報が売買されたり公開されたりした事実は確認されていないとしています。
自分が対象かは、マイページで確認できます
10月23日17時から、タイムズカーのマイページに自分のどの情報が漏れたかが表示されています(確認方法)。退会した人や、入会の途中でやめた人も対象に含まれています。退会者には専用の問い合わせフォームがあります。
届いたお知らせのメールは、消さずに残しておいてください。あとで見舞金の受け取りや、ほかの手続きで必要になることがあります。
なぜ免許証の漏えいは重いのか。作り直しても番号はほとんど変わらない

免許証って、作り直せば済むんじゃないんですか?

そう思いますよね。でも作り直しても、変わるのは番号の最後の1桁くらいで、名前・生年月日・住所はそのままです。
パスワードと違って「変えて終わり」にできないのが、免許証の怖いところです。
運転免許証は、銀行の口座開設やローン、携帯電話の契約などで使われる、本人確認のいちばん中心にある書類です。番号や画像が悪用されると、自分の名前で勝手に契約される「なりすまし」につながるおそれがあります。
一部の都道府県では、今回の対象者に免許証の特例の再交付(写真と番号の末尾を変えられる)を始めています。ただ、氏名・生年月日・住所は変わらず、出回った古い情報が消えるわけでもないため、効果は限られると報じられています。

通知を受けた人が今日やること。まず「信用情報機関への本人申告」
全部を一度にやる必要はありません。上から順に、できるところまで進めてください。
1. マイページで、自分のどの情報が漏れたかを確かめる
免許証の画像が含まれているかどうかで、次にやることの重さが変わります。お知らせのメールと一緒に、画面を保存しておきましょう。
2. 信用情報機関に「本人申告」をして、勝手な借り入れを防ぐ
ローンやクレジットの会社が審査のときに照会する信用情報機関(JICC・CIC・全国銀行個人信用情報センター)には、「本人確認書類が漏れたかもしれない」と申告できる仕組みがあります。画像データを含めて漏えいした可能性がある場合も、申告の対象です(全国銀行個人信用情報センター よくある質問)。
申告しておくと、審査をする会社が「この人の名前での申し込みは慎重に」と判断する材料になります。インターネットか郵送で申し込めます。ただし、契約を止める決まりではなく、悪用を必ず防げるわけではありません。申し込みが急増していて、手続きには日数がかかっています。
3. 「タイムズ」「お見舞い」「返金」をうたうメール・SMSは開かない
運営会社も、想定される被害としてフィッシング詐欺やなりすましの問い合わせを挙げています。集団訴訟を準備する弁護士のもとには、不審なメール・SMSの申告が2万5,000件以上寄せられたと報じられています(申告ベースで、事件との関係は確かめられていません)。
見舞金の案内などは、メールのリンクではなく、自分でブックマークした公式サイトか公式アプリから確かめてください。
4. 免許証の特例の再交付は、住んでいる都道府県に確かめる
特例の再交付は都道府県ごとに対応が違います。京都府などでは、写真と番号を変えられる再交付を受け付けています(産経新聞)。千葉県警のサイトには、10月27日時点で今回の件についての案内は見当たりません。千葉にお住まいで再交付を考えている方は、千葉県警の運転免許のページにある運転免許センターへ問い合わせてください。手数料がかかり、効果は限られる点も覚えておいてください。
5. 次に漏れたとき、早く気づける仕組みを持つ
今回、会社が不正アクセスを検知してから、漏れた項目の全体を発表するまで約4週間かかりました。漏えいのお知らせは、会社が気づいて調べ終えたときにしか届きません。
私はノートン 360 デラックスを使っています(広告のリンクです)。
ダークウェブモニタリング(盗まれた情報が出回る場所を見張り、見つかったら知らせる機能)に、メールアドレスだけでなく免許証番号なども登録できます。ノートンのデラックス以上のプランにあり、3台まで使えます。自動更新の契約なので、更新のときの金額は事前に確かめてください。
ただし、見張る機能は漏れるのを防ぐものではなく、漏れたことに早く気づくためのものです。まず1〜3を済ませてから検討してください。

私もお知らせを受け取った一人です。
見張りの機能で漏れを防げるわけではありませんが、「知らないうちに出回っていた」を減らせるのは安心材料だと考えています。
見舞金3,000円と集団訴訟。受け取る前に確かめたいこと
見舞金の対象は、免許証などの画像が外部へ送られた痕跡がある人(約146万人)です。3,000円相当の現金か金券で、渡し方は検討中とされています。総額は約44億円になる見込みと報じられています(日本経済新聞)。
一方、被害を受けた会員による集団訴訟の準備も進んでいます。弁護士が10月26日に開いた会見によると、参加希望者は10万人を超え、免許証の画像が漏れた人は1人5万円、それ以外の人は3万円を請求する方針です。東京地裁に、年内を目指して提訴する考えだと伝えられています。なりすましなどの二次被害は、因果関係の証明に時間がかかるため、この訴訟では扱わない方針です(弁護士ドットコムニュース)。
過去の個人情報の漏えいの裁判では、認められた額は1人数千円から数万円と幅があります。見舞金の案内が届いたら、受け取ることで今後の請求に影響する条件が書かれていないかを確かめ、案内の画面や書面を保存しておくと安心です。訴訟に加わるかどうかは、ご自身で判断してください。
事業者が見直したいこと。「退会した人の免許証画像を7年持っていた」
今回、事業者として最も考えさせられたのは、退会した人の本人確認書類の画像を、退会後7年間持ち続けていたことです。運営会社は事件の後、画像を「登録の確認が済んだらすぐ消す」運用に変え、保有分も10月末までに消すと発表しました。

うちは本人確認書類なんて預かっていないから、関係ないと思うんですが……

予約や会員登録のフォームで、免許証や保険証の画像を送ってもらっていませんか?
メールの受信箱やサーバーに、何年分も残っていることがよくあります。
小さな事業者のホームページでも、次のことは今日から見直せます。
- 本人確認書類の画像は、確認が済んだら消す。持ち続ける理由が無いなら持たない
- お問い合わせ・予約・会員登録で集める項目を、本当に必要なものだけにする
- 退会した人や、取引が終わった人の情報を何年残すか決めて、期限が来たら消す
- サイトやシステムの更新を止めない(今回の原因も、Webシステムの脆弱性でした)

「持っていない情報は、漏れない」という考え方は、お名前.comの情報流出の記事でも書いています。
自社のサイトに何が残っているか分からない場合は、お問い合わせフォームからご相談ください(フォームにパスワードや本人確認書類の画像は送らないでください)。
よくある質問
退会していても、タイムズカーの情報漏えいの対象になりますか?
なります。運営会社は退会した人も対象に含めており、退会者専用の問い合わせフォームを用意しています。
見舞金を受け取ったら、集団訴訟に参加できなくなりますか?
10月27日時点で、見舞金の受け取り方法や条件はまだ発表されていません。案内が届いたら、今後の請求との関係について書かれていないか確かめてください。気になる場合は弁護士に相談するのが確実です。
免許証を再交付すれば安全ですか?
安全になるとは言えません。変わるのは写真と番号の末尾などに限られ、氏名・生年月日・住所は変わりません。信用情報機関への本人申告と、不審な連絡への注意をあわせて行ってください。
クレジットカードは止めたほうがいいですか?
運営会社は、カード番号の全桁とセキュリティコードは持っていなかったため、不正利用のおそれはないとしています。ただ、明細に覚えのない請求が無いかは、いつもどおり確かめてください。
まとめ。変えられない情報が漏れた。だから「気づく」と「預けない」
- 通知を受けた人
→マイページで漏れた項目を確認し、信用情報機関に本人申告。偽のメール・SMSは開かない - 免許証の再交付
→効果は限られる。千葉の方は運転免許センターに確かめてから - 見舞金
→案内が来たら条件を確かめ、書面や画面を残す - 事業者
→本人確認書類は確認したら消す。集める情報と残す期間を決める
漏れた情報は取り戻せません。
それでも、早く気づくことと、これ以上預けないことは、今日から選べます。
参考にした一次情報
- タイムズカー:「タイムズカーWebシステム」への不正アクセスによる個人情報漏えいに関するご報告と今後の対応について(第5報・2026年10月23日)
- タイムズカー:不正アクセスに関するお知らせ(第1報・2026年9月25日)
- タイムズカー:マイページでの漏えい情報の確認方法(PDF)
- 全国銀行個人信用情報センター:本人申告に関するよくある質問
- 千葉県警察:運転免許
- 弁護士ドットコムニュース:タイムズカー情報漏えい、集団訴訟に10万人超が参加希望(2026年10月26日)
- 日本経済新聞:タイムズカー免許証画像流出、「お見舞い」1人3000円 146万人が対象
- 産経新聞:タイムズカー情報漏洩で対象者に免許証の再交付・番号変更を特例認可 京都府公安委員会(2026年10月15日)
- よつば総合法律事務所:タイムズカーの個人情報漏えいとお見舞金3,000円
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