
2001年から積み上がった25年分の記録を、消さずに、たどれる形に。
神奈川県立湘南高等学校サッカー部OB会様のサイト「湘南サッカー」(shonan-soccer.com)のリニューアルをお手伝いしました。
集客のためのサイトではありません。創部から100年を超える戦績と、2001年から続くOB会の運営記録を、次の代へ引き継げる形に作り直す仕事です。当方は情報設計と構築を担当しました。
1. 25年分のページが、たどり着けなくなっていた
このサイトは2001年に開設され、現役の試合予定と結果、OB会報、歴代の戦績、懐かしの写真館、卒業アルバム、百年誌といった資料が、25年にわたって足され続けてきました。
長く続いたサイトほど、同じことが起きます。
- ページが平らに積み上がっていた
足すたびに一覧が長くなり、目的の資料に何回たどればいいのか分からない状態でした。 - パソコンで見る前提の作りだった
開設当時はそれでよかったのですが、いま実際に見ているのはスマートフォンです。文字が小さく、戦績の表は画面からはみ出していました。 - 更新できる人が限られていた
どこを直せばどこに出るのかが、手を入れた人にしか分からなくなっていました。
直すべきは見た目ではなく、並べ方でした。
2. 「3つの立場が同居するサイト」として設計し直した
整理を始めて最初に分かったのは、このサイトが1つのサイトではなく、性格の違う3つの活動を1か所で扱っているということでした。
- 湘南高校サッカー部 — いま活動している現役。試合予定と結果が動き続ける
- サッカー部OB会 — 会報とイベント。年に数回、まとまって動く
- 湘南ペガサスSC — OBのシニアチーム。独立した活動記録を持つ
見に来る方も、現役の保護者・卒業して何十年も経ったOB・これから入る中学生と、見たいものがはっきり違います。ここを混ぜたまま整理しても、また同じことになります。
そこでナビゲーションを3本に分け、トップページでは「すべて/湘南高校/サッカー部OB会/湘南ペガサス」で切り替えて見られるようにしました。全部を1本の新着に流し込まず、自分に関係のあるものだけを追える形です。
3. 古い記録は、消さずに残す
リニューアルでいちばん多い失敗は、整理のつもりで古いページを削ってしまうことです。この案件では、そこを最初に決めました。
戦績・会報・写真館・卒業アルバム・百年誌といった記録ものは、検索して「探す」ものではなく、年をさかのぼって「たどる」ものです。新着と同じ並べ方をすると、古いものほど下に沈んで二度と読まれません。
- 更新が続くもの(試合予定・結果・お知らせ)と、一度載せたら変わらない記録ものを、置き場所から分けた
- 記録ものは年度でさかのぼれる並びにして、何年のものかが一目で分かるようにした
25年分の蓄積は、このサイトの資産そのものです。減らさずに、読める状態に戻すことを優先しました。
4. スマートフォンで最後まで読めるようにした
WordPress(テーマはSWELL)で作り直し、画面の幅に合わせて組み替わるようにしました。パソコンで見ることを前提にした古い作りから、スマートフォンでも最後まで読める形に変えています。
5. OB会の方が、これからも自分で更新できる形に
このサイトを続けるのは制作者ではなく、OB会の運営を担う方々です。ここが続かなければ、リニューアルした意味がありません。
- ふだん触るのは「試合結果」「お知らせ」など、決まった数か所だけで済むようにした
- 入力する場所と、それが出てくる場所が一対一で対応するようにした(どこを直せばどこが変わるかが迷わない)
集客のためではないリニューアルもあります
ホームページの作り直しというと、問い合わせを増やすため・売上を上げるための話になりがちです。でも実際には、こういうご相談もあります。
- 長年続けてきたサイトに、ページが積み上がりすぎて手がつけられない
- 作った人がいなくなって、直し方が分からない
- パソコンでしか読めない。会員や関係者から「スマホで見られない」と言われる
- 古い記録を消したくないが、そのままでは誰も読まない
同窓会・OB会・組合・地域の団体など、続けること自体が目的のサイトは、集客サイトとは設計の考え方が変わります。いま手元のサイトが同じ状態でしたら、現状を伺ったうえで、どこから手をつけるべきかをお伝えします。
※ 本サイトは湘南高校サッカー部OB会が運営するサイトです。神奈川県立湘南高等学校の公式サイトではありません。
※ 本件はデザインを外部の担当者が行い、当方は情報設計と構築を担当しました。



