
ホームページ制作の見積書は、読み方を教わる機会がありません。
専門用語が並んでいて、金額が妥当かどうか判断できないまま、なんとなく決めてしまう——これが最も多い形です。
この記事では、見積書によく出てくる項目がそれぞれ何の作業を指しているのかを説明し、2社以上を比べるときにどこを見ればいいかを整理します。金額の高い安いより、「何が入っていて、何が入っていないか」を読めるようになることが目的です。
「一式」しか書かれていない見積書は、比べることができない
最初に、いちばん大事なことを書きます。
「ホームページ制作一式 800,000円」とだけ書かれた見積書は、それだけでは判断材料になりません。
理由は単純で、比べようがないからです。
A社が80万円、B社が50万円だったとして、A社には保守1年ぶんと写真撮影が含まれていて、B社は制作だけかもしれません。
この状態で安いほうを選ぶと、あとから追加費用が積み上がります。
内訳が書かれていない場合は、遠慮せずに「内訳をいただけますか」と伝えてください。

これは失礼な要求ではなく当然の確認だと考えてます。
(ここで明細が出せない会社は、避けたほうがよいでしょう)
金額が妥当かを判断する軸は「何時間ぶんの仕事か」
内訳を読む前に、判断の軸をひとつ持っておくと迷いません。
提示された金額を、時間に置き換えてみることです。
当方では、すべての料金を1時間あたり11,000円を基準に決めています。
修正は5,500円(30分ぶん)から、月額保守は8,800円からです。
この考え方で見ると、80万円の見積りはおおよそ70時間ぶんの仕事ということになります。
10ページのホームページに70時間。これが妥当かどうかは、原稿と写真が含まれているかで変わります。
入っていれば納得できますし、入っていなければ高いかもしれません。
金額を時間に置き換えると、「高い・安い」ではなく「その作業量で妥当か」が判断できるようになります。
見積書によく出てくる項目と、その中身
ホームページ制作の見積明細を出すときによく出る項目があります。
ですが、その項目もわからないものもあると思うので、よく出る項目について解説します。
【ディレクション費・企画費】打ち合わせと進行管理の人件費です
打ち合わせ、要件の整理、原稿や写真の手配、社内外との調整、スケジュール管理にかかる費用です。
料金全体の15〜25%程度を占めることが多く、削られていると進行が雑になりがちな部分でもあります。
「何もしていないのに費用が乗っている」と見られやすい項目ですが、ここが薄いと決めごとが進まないまま制作が始まり、あとで作り直しになります。
【デザイン費】見た目を設計する費用。ページ単位か、種類単位か
確認すべきは「何ページぶんが含まれるか」です。
多いのは「トップページ1点+下層ページのひな形1〜2点」という形で、下層ページが何ページ増えても同じひな形を使う前提になっています。
料金表のように独自の見た目が要るページは、別途デザイン費がかかることがあります。
「このページは特別な作りになりますか」と聞いておくと、あとの追加を防げます。
【コーディング費・構築費】デザインを実際に動くページにする費用
デザイン(絵)を、ブラウザで表示できる形にする作業です。ページ数に比例します。
WordPressで作る場合は、「自分で更新できる範囲をどこまでにするか」で金額が変わります。
全部を自分で更新できるようにするほど費用は上がり、逆にお知らせだけ更新できればよいなら安くなります。
ここは、実際に自分たちが何をどれくらい更新するかで決めてください。
機能をなんでも自由に実装しすぎると、制作費用だけでなくその後の運用保守コストが高くなります。
使わない機能にお金を払う必要はありません。
【原稿作成費・撮影費】入っていないことが多い項目
見積書に入っていない場合、原稿と写真は自分で用意することになります。ここを見落とすと、制作が始まってから「文章がまだできていない」で止まります。実際、公開が遅れる原因の多くはこれです。
自社で書くのか、書いてもらうのかを最初に決めてください。書いてもらう場合、ページ数ぶんの費用がかかります。写真も同様で、撮影が入っているかどうかで金額はかなり変わります。
【サーバー・ドメイン費】毎年かかるもの。誰の名義かも確認する
これは制作費とは別に、毎年かかり続ける費用です。
年間で1万円台から数万円が一般的です。
金額そのものより、契約の名義がどちらになるかを必ず確認してください。
ドメインなどが制作会社名義だと、あとで依頼先を変えるときに変えられなかったりトラブルの原因になります。
【保守費・運用費】「月額」で書かれている行を見落とさない
見積書の下のほうに、小さく月額が書かれていることがあります。
制作費が安く見える見積書ほど、月額が乗っていることがあります。
月額1万円なら、5年で60万円です。制作費だけでなく、保守運用費も足して比べてください。

制作費だけを比べると判断を間違えます。
(5年間くらいの月額を足してから、はじめて比べられる数字になります。
2社以上を比べるときは、この3つを揃えてから比べる
見積書を並べても、前提が違えば比べられません。次の3つを揃えてから比較してください。
- ページ数。何ページぶんの費用かを揃える。10ページと20ページでは倍違います
- 原稿と写真を誰が用意するか。ここが片方だけ含まれていると、金額差の大半はこれです
- 公開後5年ぶんの月額。制作費+月額×60か月で、はじめて総額が見えます
この3つを揃えると、最初に「安い」と思っていたほうが高かった、ということがよくあります。
見積りを受け取ったら、必ず聞いておく5つの質問
どれも一言で聞けて、答えが返ってこなければそれ自体が判断材料になる質問です。
- 「公開後、自分で直せるのはどの部分ですか」… 更新のたびに費用がかかる範囲が分かります
- 「ドメインとサーバーの契約名義はどちらになりますか」… 将来の乗り換えやすさが決まります
- 「公開後、毎月かかる費用の合計はいくらですか」… 見積書に書かれていない月額を拾えます
- 「修正は何回まで無料ですか」… ここが決まっていないと、あとで揉めます
- 「制作したデータは納品されますか」… 別の会社に引き継ぐときに必要になります
5つ目は特に忘れられがちです。納品されないまま契約が終わると、次に頼む会社が一から作り直すことになります。
金額が妥当かどうかを、自分で判断する目安
相場という言い方は難しいのですが、判断の軸はひとつ置けます。「その金額は、何時間ぶんの仕事か」で考えることです。
たとえば当室では、すべての料金を1時間あたり11,000円を基準に決めています。修正は5,500円(30分ぶん)から、月額保守は8,800円からです。この考え方で見ると、80万円の見積りはおおよそ70時間ぶんの仕事ということになります。
10ページのホームページに70時間。これが妥当かどうかは、含まれる作業次第です。
原稿の執筆と撮影が入っていれば納得できますし、入っていなければ高いかもしれません。
金額を時間に置き換えると、判断がしやすいです。
見積りを依頼するときの文面(そのまま使えます)
同じ条件で比べるには、各社に同じことを伝える必要があります。
次の文面をそのまま使ってください。
ホームページ制作のお見積りをお願いします。
・目的:(例)問い合わせを増やしたい/古いサイトを作り直したい
・ページ数:(例)10ページ程度を想定
・原稿と写真:(例)当社で用意します/お願いしたい
・希望時期:(例)◯月頃の公開
・現在のサイト:(例)https://…/無し
あわせて、次の4点も教えてください。
1. 内訳(項目ごとの金額)
2. 公開後に毎月かかる費用の合計
3. ドメインとサーバーの契約名義はどちらになるか
4. 公開後、当社が自分で更新できる範囲
後半の4点が肝心です。ここを最初に聞いておくと、各社の見積りが同じ土俵に乗ります。聞かずに受け取った見積りは、前提が違うので比べられません。
ホームページ制作の見積書についてよくある質問
見積書の内訳を求めるのは、失礼になりませんか?
なりません。金額の根拠を示すのは、見積りを出す側の仕事です。他の業種の見積書で内訳を求めるのが当たり前なのと同じです。求めて機嫌を損ねるような相手であれば、公開後のやり取りも同じ調子になります。
安い見積りは避けたほうがいいですか?
安いこと自体は問題ではありません。安い理由が説明できるかどうかが問題です。ひな形を使っている、ページ数が少ない、原稿は自社で用意する——理由がはっきりしていれば、安くても問題ありません。理由が分からない安さは、あとで追加費用として戻ってきます。
相見積もりは何社くらい取ればいいですか?
2〜3社で十分です。それ以上増やすと、比べる作業のほうが負担になります。また、各社に同じ条件を伝えてください。伝える内容が違うと、出てくる見積りも比べられないものになります。
受け取った見積りが妥当か、第三者に見てもらえますか?
当方では、セカンドオピニオンサービス(22,000円〜)にて、お見積りとご提案を拝見し所見を書面でお渡ししています。

気になる点、確認した方が良い点などをお知らせしますが、
調査した結果「その見積のままご依頼して問題ありませんよ」という結論になることもあります。
当方が制作を請けることを前提にしていないので、ご安心ください。
見積りを断るときは、どう伝えればいいですか?
「社内で検討した結果、今回は見送ることになりました」で十分です。
理由を詳しく説明する義務はありません。断りにくさから発注してしまうのが、いちばん高くつきます。

また「見積りを出したあとに音信不通になるケース」は、制作会社は判断に困ってしまいます。
お客様のために制作時間を確保し準備を進めていることも多いため、一言連絡を入れておくと親切です。
決める前に、判断の材料をもうひとつ持つ
見積書は、比べ方さえ分かれば怖いものではありません。
内訳をもらい、ページ数と原稿の担当を揃え、5年ぶんの月額まで足す。この3つをやるだけで、判断の精度はかなり上がります。
それでも決めきれないときは、制作を請ける立場ではない相手に一度見せてみてください。千葉ホームページ相談室は、セカンドオピニオンなど制作を前提にしない立場でお見積りの内容を拝見するサービスも行っています。
はじめの簡単なご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。
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