
「古く見えるから、ホームページを作り直したい」というご相談をいただいたとき、当方が最初にするのは見積りではなく、今のサイトの状態の確認です。作り直さなくても、直せば済むことが少なくないからです。
この記事では、作り直しを決める前に確かめたいことを、当方が実際にお手伝いしたリニューアルの例と、Google の公式の説明をもとにまとめます。

うちのサイト、見た目が古いから
そろそろ作り直したいんだけど……

まず「何に困っているか」を分けて考えましょう。
見た目なのか、更新できないことなのか、動かないことなのかで、答えが変わります。
【結論】作り直すかどうかは「見た目」ではなく「直せない部分があるか」で決める

見た目が古いだけなら、多くは今のサイトのまま直せます。作り直しが必要になるのは、今の仕組みのままでは直せない部分があるときです。
作り直しが必要になりやすいのは、こんなとき
- スマートフォンで表示が崩れ、今の作りでは直せない(古い作成ソフトで作ったページなど)
- 使っている作成ツールや仕組みの提供・サポートが終わる
- 自分たちで更新できない作りで、情報が何年も止まっている
- 事業の内容が変わり、ページの組み立てごと合わなくなった
直せば済むことが多いのは、こんなとき
- 写真や文章が古い
- 表示が遅い
- お問い合わせフォームのメールが届かない
- 一部のページだけ表示が崩れる
- 検索で見つからない(多くは見た目ではなく、中身や書き方の問題です)
作り直す前に確かめる5つのこと。名義・メール・URLは先に調べておく
次の5つは、作り直すかどうかを決める前に分かっていると、判断も見積りの比較も楽になります。
1. 何に困っているかを1行で書けるか
「古い」ではなく、「お問い合わせが月に1件も来ない」「スマートフォンで料金表が読めない」のように、困っていることを1行で書いてみてください。書けないうちは、作り直しても同じ不満が残りがちです。
2. ドメインとサーバーは誰の名義か
ドメイン(〇〇.co.jp のような住所)やサーバーの契約が制作会社の名義のままだと、依頼先を変えるときに移せないことがあります。名義の確かめ方はドメインの記事にまとめています。
3. メールは同じドメインで使っているか
ホームページと同じドメインのメールアドレス(info@〇〇.co.jp など)を使っている場合、作り直しの進め方によってはメールが止まります。確かめる点はリニューアル前に知っておきたいメールのことにまとめています。
4. 検索から読まれているページと、そのURL
Search Console を使っていれば、どのページが検索から読まれているかが分かります。そのページのURLが、作り直したあとも変わらないかどうかが、次の節でいちばん大事な点です。
5. 自分で更新したい範囲
お知らせだけなのか、料金表やメニューもなのか。範囲によって、向いている作り方が変わります。考え方は自分で更新できる形にする記事にまとめています。
いちばん取り返しがつかないのはURL。変えるなら旧URLから新URLへ301で渡す
作り直しで検索から来る人が減る原因の多くは、ページのURL(住所)が変わることです。URLが変わると、そのページが積み上げてきた評価を新しいURLへ引き継ぐ手当てが必要になります。

URLって、そんなに大事なの?

検索から読まれている記事があるなら、URLはその記事の住所です。
住所が変わったのに転送の届けを出さないと、来ていた人がたどり着けなくなります。
Google は公式の説明(サイトを移転する方法)で、次のように案内しています。
- 移転中は、検索での掲載順位が一時的に変動することがある
- 古いURLから新しいURLへの対応表(マッピング)を作る
- 可能であれば、恒久的なリダイレクト(301・308)を使う
- リダイレクトはできるだけ長く残す(一般的には1年以上)
当方がお手伝いした例では、松戸市の外壁塗装店のリニューアルで、記事149本と固定ページ16ページのURLを1本も変えず、中身と見せ方だけを作り直しました。URLを残せるなら、残すのがいちばん安全です。
作り直しを頼むときは、提案書や見積書で次の点を確かめてください。
- 今のページのURLの一覧と、新しいURLとの対応表を作るか
- 転送(301)の設定を誰がして、いつまで残すか
- Search Console やアクセス解析の設定を引き継ぐか
作成ツールからWordPressへ移るときは、メールとドメインを先に確かめる
Jimdo や Wix などの作成ツールから WordPress へ移る場合、URLの形が変わることがほとんどです。加えて、ドメインやメールを作成ツール側で契約していると、サイトと一緒にメールの受け取り先も考える必要があります。
Jimdo から WordPress へ移ったトリミングサロンの例では、旧サイトの構造を調べて転送を設定し、メールの受け取り先(MXレコード)などの設定も事前に確かめて、メールを止めずに移る準備をしました。
なお、WordPress は自由度が高い一方で、本体やプラグインの更新とバックアップを続けることが前提の仕組みです。保守を続けられないなら、作成ツールのまま中身を直す、静的なサイトにする、といった選択肢もあります(WordPressの保守契約は必要?)。
作り直しの見積りは、金額ではなく「何が入っているか」で比べる
同じ「リニューアル」でも、中身はまったく違います。ある政府機関のホームページリニューアルの入札では、同じ仕様書を読んだ22社の見積りが、37万8000円から900万円まで並びました(参議院のリニューアルの記事)。
金額を比べる前に、次の点がそろっているかを見てください。見積書の読み方はこちらの記事にまとめています。
- 原稿と写真は誰が用意するか
- 今のサイトから文章や記事を移す作業は入っているか
- URLの対応表と転送の設定は入っているか
- 公開後の保守・更新の費用は別か
- ドメインとサーバーは誰の名義で契約するか
作り直しより先に試せる「部分的な手当て」もある
困りごとがはっきりしているなら、作り直さずに次のような手当てで足りることがあります。
- 表示の速さを直す(画像を軽くする、不要なプラグインを外す など)
- お問い合わせまでの導線を見直す(ボタンの位置、フォームの項目)
- 古い情報を更新する
- スマートフォンで崩れる部分だけを直す
- よく変える部分だけ、自分で更新できるようにする
費用も期間も、作り直しよりずっと小さく済みます。手当てをしてみて、それでも足りないと分かってから作り直しを考えても遅くありません。
迷ったら、作り直しを決める前に第三者に見てもらう
当方のセカンドオピニオンでは、今のサイトの状態と、お手元の見積書・提案書を拝見して、作り直す必要があるか、直せば済むかをお伝えしています。そのまま進めて問題なさそうなら、そうお伝えします。
料金は料金ページにあります。お問い合わせフォームにパスワードは書かないでください。
参考にした情報
同じことでお困りでしたら
記事のとおりに進めるのが難しいときは、次のご相談で承っています。
どれにあたるか分からないときは、ホームページの自己点検(15の質問・2分)で、いまの状態からお確かめいただけます。



